チベット独立を唱えるビョーク(1)
北京五輪の2008年に遡って、その年3月の上海公演で、共産党当局に提出したソングリストに載せたすべての曲を歌い上げた後、アイスランドの歌手ビョークは、「We have one more song」(もう一曲あります)と言い、観客たちを大いに喜ばせた。ほかの国だったら、時間さえ足りればアンコール曲として何曲かを歌っても別に悪くはないが、外国人歌手の歌うすべての曲を事前に厳しく審査する中国では、明らかにビョークのこの行為は当局の予想外だった。しかし、もっと彼らを震撼させたのはこの次だった。ビョークは、当時新発売されたアルバム「Volta」の一曲「Declare Independence」を選び、しかも一部の歌詞を変えて「チベット独立」を何回も叫んだ。この事件に関わる映像はすぐに中国のネットにアップロードされて爆発的なコメントを招いた。もちろんその大半は歌手本人を罵倒してる。
「くそ外人はまた中国の内政を干渉した!」
「ビッチだ!」
「彼女のファンたちは売国奴だ!今回の事件を弁護しようとする人たちは全員売国奴だ!」
「早くこの人を逮捕しろよ!」
などなど
以上のような暴言は中国人の私にとってもう見慣れてしまったが、やはり、それを見るうちに一つの疑問が頭の中にだんだんと浮かんできた。つまり、山ほど積まれたコメントの中には、歌手が独立を応援している理由を追究するコメントがなぜどこにも見られないのか?