いい質問ですね、非常に両方とも意味は似ていて難しいので、なるべく簡単な言葉で説明します。
1.「~をきっかけに」
こちらは、ものごと、人の行動、状況など、Aだったものが、Bというなにかがあって、Cに変わることを指します。
たとえば
「田中さんはあわてん坊だったが、仕事をきっかけに、冷静になった」
「山田さんは厳しい人だったが、結婚をきっかけに、やさしくなった」
どちらも「慌て者」「厳しい」という状態だったのですが、「仕事」「結婚」というBがあったことで、「成長した」「やさしくなった」というCの状態へ変わりました。
つまり、なにか方向転換をしたり、それが起こってまた別のもの・ことに変わる場合は「~をきっかけに」を使います。英語の"turning point"という表現が近いかもしれませんね、こちらも別の方向に変わることを言いますから。
それに対し
2.「~を皮切りに」
こちらもA→B→Cという順番は変わりませんが、日本では主にこの表現は「○○をスタートに」という意味で使います。
「5月を皮切りに、どんどん暑くなった」
「スーパーでは牛乳が売れたことを皮切りに、色々な乳製品が売れた」
こちらは、言葉のイメージとしては一方通行です。また、前に進んでいくイメージです。
たとえば、上の例文の
「田中さんはあわてん坊だったが、仕事をきっかけに、冷静になった」
これに「皮切りに」を使うことはできません。なぜなら、田中さんは「きっかけに」で方向転換はしていますが、「皮切りに」で「あわてん坊のまま」前に進んではいないからです。
でも
「スーパーでは牛乳が売れたことを皮切りに、色々な乳製品が売れた」
これには皮切りは使うことが出来ます。なぜなら、牛乳が売れたことをスタートに、乳製品も売れる、という進み方をしていますね。方向転換はしていません。
そして、「皮切りに」はなにかが一度始まったら、他のことも次々に発生するイメージです。「~をきっかけに」では次々に発生するかは分かりませんが、「~を皮切りに」と言ったら「あ、ほかにも何か起きたのかな」と聞いている人は思います。
ちょっと長くなってしまいましたが
「~をきっかけに」:方向転換、転機、他のことが次に起きるか分からない
「~を皮切りに」:スタート地点、前に進んでいる、他のことが次に起きる
違いはこんな感じです。
分からなければ、またどうぞご質問してください。