韓国語は他の外国語と比べて、日本人にとっては習得が難しくないといわれています。そのため、独学で身につけようと思う方も多い傾向です。

しかし、独学で勉強していると遠回りになったり、モチベーションを継続できずに挫折してしまったりすることがよくあります。

そこでこの記事では、韓国語学習歴が10年以上で、日韓翻訳の業務経験のある筆者が、韓国語を独学で習得する方法やおすすめアプリなどについて解説します。

韓国語を学び始めた方はぜひ参考にしてください。

※記事中のカタカナ表記については、あくまで韓国語の読み方の目安とお考えください。

韓国語は独学で習得できる

You can learn Korean on your own.

韓国語を独学で学び始めた方の多くは、「独学で流暢に話せるようになれればいいな」と思いつつ、「そんなことできるんだろうか」と不安な気持ちもあるでしょう。

ここでいう「韓国語の独学」に関して、インターネットが発達した現在の学習環境に照らして「留学と対面の語学講座・レッスン以外の手段による韓国語学習」ととらえると、独学は十分可能です。

ここでは、韓国語を独学で習得できる理由と、習得するために必要なおおよその時間を紹介します。

韓国語が独学で習得できる理由

韓国語が独学で習得できる理由としては、大きく分けて以下の2つです。

  1. 語順が日本語と同じなので学びやすい
  2. 独学用の参考書が多数出版されている

理由①:語順が日本語と同じなので学びやすい

韓国語は、日本語と同じSOV文型を基本としていますSOV文型では語順が主語→目的語→動詞になります(例1)。

また、主語の後に目的語とは別の役割を持つ言葉がくる場合も、単語の順番が日本語と同じになることが多くあります(例2)。

例1)

【私は韓国語を勉強しています。(主語ー目的語ー動詞)】
저는 한국어를 공부하고 있어요. (主語ー目的語ー動詞)
저(チョ):私 는(ヌン):は  한국어(ハングッコ):韓国語 를(ル):を 공부하고(コンブハゴ):勉強して  있어요(イッソヨ):います

例2)

【家から学校まで1時間くらいかかります。】
집에서 학교까지 1시간 정도 걸려요.
집(チプ):家 에서(エソ):から  학교(ハッキョ):学校 까지(カジ):まで 1시간(ハンシガン):1時間  정도(チョンド[程度]):くらい  걸려요(コリョヨ):かかります

語順が同じ場合、単語を置き換えることで文章を作れます。

これは、たとえば英語では同じ内容について日本語とまったく違う構造の文を組み立てる必要があるのとは対照的です。

文を組み立てる労力が少なくて済むことが、韓国語の学びやすさの理由の一つとなっています。

理由②:独学用の参考書が多数出版されている

2000年代初頭の韓流ブームをきっかけに韓国語の人気が高まり、独学用の参考書も多数出版されています。

書店の語学書コーナーに行くと、韓国語の参考書が英語の次くらいに多いことを実感されるはずです。

入門~初級レベルの参考書の割合が多いですが、現在では中級~上級レベルの参考書も多くあります。ジャンルも、文法・発音からニュースやドラマ・映画の解説教材までさまざまです。

現在では、動画やネット配信の番組などで数多くの韓国映画やドラマを視聴できます。これらも広い意味で「独学用の教材」といえるでしょう。

入門から上級まで独学用の教材が豊富にあることも、韓国語が学びやすい理由として挙げられます。

韓国語の習得に必要な勉強時間は約1,000時間

韓国語が学びやすいとされるもうひとつの理由として、「比較的短期間に上級レベルに到達できる」という点が挙げられます。

韓国語能力試験(TOPIK)の最上級である6級の認定基準である「ネイティブ程度までではないが、自己表現を問題なく話すことができる」レベルに達するまでの時間は、約1,000時間とされています。

約1,000時間というのは、英語の場合と比べて明らかに少ないことがわかります。

たとえば、日本語の環境で育った人が英語を1,000時間ほど勉強して到達できるレベルは、英検でいえば準2級程度です。

英語の場合、学校で習うという前提があるのでこの1,000時間という目安についても「中1から英語の勉強を始めて中3~高1までに到達する学習時間」を想定していると思われます。

従って、高校卒業後に勉強を始める人が圧倒的に多い韓国語と単純に比較することはできません。

しかし、仮に同じ年齢層の子供が学校で英語の代わりに韓国語を勉強したとすれば、中学校の間に日本語並みに韓国語を話せるようになる生徒が多くいるであろうことが想像できます。

【関連記事】韓国語が難しい4つの理由とは?独学の難しさを克服する3つの方法を解説

韓国語を独学でペラペラになるための方法

How to teach yourself to speak Korean fluently

独学で韓国語を流暢に話せるようになるための方法として、次の4つがあります。

  1. 文字と発音を覚える
  2. 簡単な会話表現を覚える
  3. 音声付きの参考書で文法を学習する
  4. ニュースやドラマ・映画などのリスニングと、作文やスピーキングの練習をする

方法①:文字と発音を覚える

韓国語を身につけるためには、まずハングルと発音を覚えることが必須です。

ハングルは母音のパーツ10個・子音のパーツ14個を組み合わせて文字を作るという文字システムです。

韓国語を始めたばかりの方にとって、最初はハングル文字がすごくたくさんあるように感じるかもしれません。

確かに、ハングルの母音・子音の組み合わせパターンは、ひらがな・片仮名を合わせたよりは多いです。しかし、漢字よりはずっと少なく、母音パーツ・子音パーツの組み合わせのルールも明確に決まっています。

また、最初に文字と発音だけを完璧に覚えようとすると、挫折する可能性が高くなります。

文字と発音を覚えやすくするための1つの方法として、以下のやり方を参考にしてください。

  1. 「アンニョンハセヨ」「カムサハムニダ」など、挨拶表現や簡単な会話表現の音声を繰り返し聴く(文字は見ても見なくてもよいが、それぞれの表現の意味はわかる状態で聴く)
  2. ハングル表とその会話表現の文字を参照しながら、「アンニョン ハセヨ→안녕 하세요」などと、音に文字をあてていくイメージで文字を覚える

たとえば、안녕하세요という挨拶表現1つだけでも、以下のことを覚えることができます。

  • 「안・녕・하・세・요」の5個の文字とその読み方
  • 4個の子音パーツ「ㅇ・ㄴ・ㅎ・ㅅ」
  • 4個の母音パーツ「ㅏ・ㅕ・ㅔ・ㅛ」
  • 2個のパッチム「ㄴ・ㅇ」

まずはハングルと発音を覚えることから始めましょう。

方法②:挨拶表現や簡単な会話表現を覚える

次に、挨拶表現や簡単な会話表現を覚えます。会話表現を覚えるのは、方法①の文字・発音を覚えることと並行しても問題ありません。

文字を覚えられるまでは、それぞれの表現と個々の単語について、「音に文字をあてていくイメージ」で、【音+文字+意味】のセットが頭に入るようにしていくのがポイントです。

韓国語学習では、単語やフレーズの【音+文字+意味】のセットを頭に入れる作業を繰り返し続けていくことになります。

方法③:音声付きの参考書で文法を学習する

挨拶表現や簡単な会話表現の【音+文字+意味】のセットがイメージできたら、音声付きの参考書(入門書)で文法をひととおり学習しましょう。

韓国語は文の構造が日本語とだいたい同じです。

「体言」(文の主語になる言葉)、「用言」(文の述語になる言葉で、活用変化するもの)など、文法用語とその意味が日本語と同じものも多くあります。

参考書の例文の音声を聴いて「あれ?この単語、何でこう読むんだろう?」と思った際は、参考書を辞書代わりにして、文字や発音変化のルールなどの該当箇所を読み返して学習しましょう。

方法④:ニュースやドラマ・映画などのリスニングと作文やスピーキングの練習をする

Practice listening to news, dramas, and movies, as well as writing and speaking

基礎が身についたら、徐々にニュースやドラマ・映画などの視聴に挑戦してみてください。生きた韓国語を理解できると、韓国語の勉強が楽しくなっていくはずです。

ニュースやドラマ・映画などのリスニング

リスニングをする際は、ところどころ声に出してリピートしたり、日本語の字幕をつけたりすると、学習初期は理解しやすいでしょう。

筆者個人の体感では、ニュースや映画・ドラマなどを視聴するときに日本語の字幕を見ながら音声を聴いても、日本語が邪魔にならずに韓国語の内容が頭に入ってきます。

これは、韓国語と日本語の語順が同じで、特に漢字語に日本語と似た単語が多いからだと思われます。

たとえば、英語のように語順や語彙が日本語とまったく違う言語でニュースなどを視聴する場合、日本語の字幕を読むと英語の音声が頭に入らなくなる気がします。

こうした違いも、韓国語が独学で習得しやすい理由の1つに含まれるかもしれません。

作文(ライティング)とスピーキング

作文やスピーキングの練習をする際は、翻訳アプリを有効活用しましょう。

おすすめの翻訳アプリとしてDeep Lchat GPTがあります。

翻訳アプリを使えば、高度に専門的な語彙を除いて作文・スピーキングの答え合わせができます。

もちろん、オンラインでネイティブの添削を受けたり発音をチェックしてもらってもよいでしょう。

今は無料でネイティブとチャットやエクスチェンジ(お互いの母国語を教えあうこと)ができるアプリもあるので、アウトプット学習の一部にそのようなアプリを取り入れるのもおすすめです。

たとえば、外国語学習プラットフォームのitalkiでは、韓国語ネイティブに無料&無制限で質問できるコミュニティ機能が利用できます。

韓国語の学習につまずいた際は、ぜひコミュニティで質問してみてください。

>ネイティブに質問したい方は、ぜひitalkiのコミュニティ機能を活用しましょう

各ステップは進む・戻るを繰り返してよい

これまで提示した4つのステップについては、それぞれを完璧にしなければ次に進めないわけではありません。

たとえば発音変化のルールの確認などは、ニュース視聴などの上級レベルの学習をしているときでも随時行ってよいものです。

作文をやりながら、必要に応じて文法事項を確認するなどもOKです。

各ステップの間を進む・戻るを繰り返して、基礎を固めながら上級レベルに向かって進んでいきましょう。

【関連記事】韓国語の基礎文法を学ぼう!初心者が覚えるべき文法事項とおすすめ本を解説

自分にあった理想の先生を見つけましょう

italki では、資格を有するティーチング経験豊富な韓国語の先生がいます。ぜひこの機会に、素晴らしい学習体験をお楽しみください!

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独学で韓国語ペラペラになりたい人におすすめアプリ

Recommended app for those who want to learn Korean fluently on their own.

現在は紙の参考書に加えて韓国語学習アプリも多数あります。

韓国語の学習でつまずきそうな方におすすめなのが、アプリで韓国語が学べるitalki(アイトーキ)です。

italkiは全世界で500万人に利用されている語学学習マッチングプラットフォームです。以下で紹介する無料の機能と有料レッスンを組み合わせることで、韓国語の単語学習にも役立てられます。

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独学でわからないところをitalkiのコミュニティでネイティブに聞いてみよう

italkiでは、ネイティブのチューターに質問できるコミュニティも無料で利用できます。

独学していて使い方がわからないところがあれば、直接ネイティブにコミュニティで質問できるので、ぜひ一度試してみてください。

以下の手順で簡単に質問ができます。

スマホの場合

for smartphone1

for smartphone2

  1. 画面下部の「地球マーク」をタップ
  2. 「+」マークをタップ
  3. 「質問をする」をタップ

PCの場合

for pc

  1. 「コミュニティ」をクリック
  2. 「投稿する」をクリック
  3. 「質問する」をクリック

ネイティブに無料・無制限で質問ができるので、ぜひ活用してみましょう。

>italkiのコミュニティ機能を活用しましょう

クイズやフラッシュカードで楽しく単語を覚えよう

italkiの無料で使える機能の中には単語クイズやフラッシュカードがあり、ゲーム感覚で楽しく単語を覚えられます。

クイズやフラッシュカードに正解できると達成感も得られるので、楽しみながらチャレンジしてみましょう。

まとめ:韓国語を独学で学んでペラペラを目指そう

Learn Korean on your own and become fluent!

この記事では、韓国語を独学で習得できる理由や、独学で習得するための方法を紹介しました。

韓国語を独学で習得するのに必要な時間は約1,000時間とされています。英語などに比べるとかなり短い時間で習得できることも、独学で韓国語を学ぶ方にとってプラス材料になるでしょう。

独学で韓国語を習得するための方法をおさらいしましょう。

  • 文字と発音を覚える
  • 簡単な会話表現を覚える
  • 音声付きの参考書で文法を学習する
  • ニュースやドラマ・映画などのリスニングと、作文やスピーキングの練習をする

各ステップの間を進む・戻るを繰り返し、学習アプリでネイティブとの交流や必要に応じたオンラインレッスンなども取り入れながら、「韓国語ペラペラ」を目指して楽しく勉強を続けましょう。

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