【第11回】2022年夏アニメは、『リコリス・リコイル』が人気です
【第11回】2022年夏アニメは、『リコリス・リコイル』が人気です
05:55
9. August 2022
Beschreibung
こんにちは。日本では2022年7月から、新しいアニメ番組(ばんぐみ)の放送(ほうそう)・配信(はいしん)が開始(かいし)されました。この時期(じき)に放送が開始されるアニメ番組を「夏(なつ)アニメ」と呼びます。 今回の夏アニメで、続編(ぞくへん)では無い新作(しんさく)で、原作(げんさく)の無いアニメ『リコリス・リコイル』が人気(にんき)だと知り興味(きょうみ)を持ちました。話している現在(げんざい)、配信された第6話(だいろくわ=episode 6)まで見てみました。 日本のアニメの多くは、マンガやゲーム、ライトノベル=手軽(てがる)に読んで楽しめる小説(しょうせつ)など、原作を持っています。しかし『リコリス・リコイル』=略(りゃく)して『リコリコ』は、オリジナルのストーリーで製作(せいさく)されました。 近未来(きんみらい)の少し本物(ほんもの)と違う(ちがう)日本で、治安(ちあん)を守る(まもる)ために、密かに(ひそかに)悪人(あくにん)を抹殺(まっさつ)する、女子高生姿(じょしこうせいすがた)のエージェントの活躍(かつやく)を描いた(えがいた)作品(さくひん)です。 可愛い(かわいい)女の子が銃(じゅう)で戦う(たたかう)お話で、彼女(かのじょ)たちにも、彼女たちが所属(しょぞく)する組織(そしき)も、そして敵(てき)にも多くの謎(なぞ)がありそうですね。 内容(ないよう)で判る(わかる)ように男性(だんせい)ファン向け(むけ)の作品(さくひん)です。明るい(あかるい)性格(せいかく)の最強(さいきょう)エージェント"千束"(ちさと)と、冷静沈着(れいせいちんちゃく)な性格の"たきな"の2人が相棒(あいぼう)となる、バディ(buddy)モノのストーリーです。男性ファンが喜び(よろこび)そうな描写(びょうしゃ)が沢山(たくさん)ありますよ。 特(とく)に第4話は、ファンから"百合(ゆり)"回(かい)と呼ばれているようです。百合(= lily )は花の名前ですが、…別の意味もあります。ここで、その意味は話さない事にしましょう。 『リコリコ』のテーマは、第1話の冒頭(ぼうとう)に語られています。私たち日本人の多くは、自分たちは他の国より比較的(ひかくてき)豊かで(ゆたかな)、安全(あんぜん)な国に住んでいると信じています。 しかし、この多くの日本人が信じてきた「神話(しんわ)」は揺らぎ(ゆらぎ)、崩壊(ほうかい)しつつあると感じている人が多数(たすう)います。そこまで自覚(じかく)しなくとも、将来(しょうらい)に不安(ふあん)を感じている人は、もっと多く(おおく)いるでしょう。 現在(げんざい)日本は経済格差(けいざいかくさ)が広がり、収入(しゅうにゅう)を得られぬ(えられぬ)人が増えています。現在の境遇(きょうぐう)に不満(ふまん)を抱き(いだき)、未来(みらい)に希望(きぼう)を持てぬ人が多数います。 日本の犯罪数(はんざいすう)が劇的(げきてき)に増えている訳ではありませんが、社会に対する不満(ふまん)を動機(どうき)にした、様々な凶悪事件(きょうあくじけん)が起きるようになりました。 『リコリコ』は2022年7月2日より放送されました。その直後(ちょくご)の7月8日、安倍晋三(あべしんぞう)元総理大臣(もとそうりだいじん)、安倍元首相(しゅしょう)が射殺(しゃさつ)される事件が起きます。 多くの日本人が、この事件に日本の「安全神話」が失われた現実を見て、ショックを受け言葉を失ったように私は感じました。 マンガやアニメは娯楽(ごらく)、エンターテインメントですが、同時(どうじ)にこの時代(じだい)を反映(はんえい)する、時代を映す(うつす)鏡(かがみ)です。『リコリコ』は将に(まさに)、今の日本社会を反映した作品になりました。 第4話以降(いこう)重い(おもい)、ハードな展開が予想される『リコリコ』。凶悪な事件が頻発(ひんぱつ)する世界に抗う(あらがう)ように、敵を殺さぬ不殺(ふさつ)のヒロインとして戦う"千束"。今後の展開が楽しみです。 最後に。『リコリス・リコイル』のオープニングにも登場する、情報部員(じょうほうぶいん)の"ミズキ"が飲む(のむ)お酒(さけ)には、瓶(びん)に銘柄(めいがら)、お酒の名前が「泥酔(でいすい)」と書いてあります。 「泥酔」とはひどく酔う(よう)、酔っぱらって泥(どろ)のようになる、意識(いしき)が無くなりぶっ倒れて(たおれて)寝て(ねて)しまう状態(じょうたい)、という意味です。 そんなお酒、絶対(ぜったい)に飲んではいけません!それでは、さようなら。
Podcast-Kanal
Ken先生の映画・歴史・カルチャートーク
Autor