韓国語を学ぶ日本人にとって、韓国語が難しいと感じるポイントのひとつが発音です。

また、発音はハングル文字の読み方を意味するので、特に初心者の方にとっては文字を覚えきれていないことが、発音をさらに難しいと感じさせてしまうかもしれません。

この記事では、韓国語学習歴が10年以上で日韓翻訳業務経験を持つ筆者が、韓国語の発音が難しいと感じられるのはどの点なのか、韓国語の母音・子音の発音及び、発音変化のルールについて解説します。

発音変化を含めた発音の規則をしっかり理解しておくと、リスニング・スピーキング・リーディングのスキルアップにつながります。韓国語を学び始めた方はぜひ参考にしてください。

※記事中のカタカナ表記については、あくまでハングル文字の読み方の目安とお考えください。

韓国語の発音で難しいポイント

韓国語の発音で難しいポイントは、大きく分けて次の4つです。

  1. 日本語にない音が多い
  2. 日本語の母音・子音と明らかに異なる音
  3. 終声子音字(パッチム)の発音
  4. 文字と実際の発音がずれる場合がある(発音変化)

ポイント①:日本語にない音が多い

韓国語には日本語に存在しない音が多いため、それらが日本人にとって発音しにくいということがあります。

外国語の学習をする際によくあるのが、「そもそも発音方法がわからない」という点です。日本語にない音が出てきた際は、「習うより慣れろ」の気持ちで情報をインプットするしかないでしょう。

ポイント②:日本語の母音・子音と明らかに異なる音

日本語に存在しない音の中には、まず日本語の母音・子音と異なる音が存在しています。

濃音や激音などは明らかに日本語の子音には存在しない音ですが、母音でも日本語の母音とは発音が異なるものが多くあります。

日本語の母音・子音と明らかに異なる音があるのも、韓国語の発音に難しさを感じるポイントの一つです。

ポイント③:終声子音字(パッチム)の発音

日本語では、「ン」の音以外はすべての子音にア・イ・ウ・エ・オいずれかの母音をつけて発音します。

しかし韓国語には、子音で終わる文字、つまりパッチムのついた文字を含む単語がたくさんあります。

たとえば、韓国語の勉強を始めた人が最初に習う言葉の1つである「감사합니다」の中には、パッチムを含む감と합があります。これをカタカナ読みしてしまうと「カムサハムニダ」つまりkamusa hamunidaとなってしまい、감と합の音としては不正確です。ローマ字で正確な音に近い表記をするとkamsa hamnidaとなります。

さらに、パッチムのついた文字は、後にくる単語の最初の文字とつながって発音変化次項)が起こることも多くあります。

パッチムの発音も、韓国語の発音が難しいと感じる点のひとつです。

ポイント④:文字と実際の発音がずれる場合がある(発音変化)

韓国語の発音の中で一番難しく感じられるのは、文字と実際の発音がずれる場合がある点です。

韓国語では、文字表記と実際の発音が一致しなくなる「発音変化」がしばしば起こります。

多くはパッチムで終わる単語と次の単語の音のつながり方の問題ですが、パッチムで終わる単語以外の単語でも発音変化が起こることがあります

韓国語の母音の発音

韓国語の母音の発音について解説します。

基本母音、合成母音のいずれにも、日本語には存在しない音が含まれているので、それぞれ確認していきましょう。

基本母音

韓国語の基本母音は10文字あります。以下、子音ㅇと組み合わせた文字を使って説明します。

日本語の「ア」と同じように発音します。
日本語の「ヤ」と同じように発音します。
어 日本語の「オ」と似ていますが、唇を突き出さずに舌を奥に引いて発音する点で異なります。
여 日本語の「ヨ」と似ていますが、やはり唇を突き出さずに舌を奥に引いて発音する点で異なります。
日本語の「オ」よりも唇を丸めて突き出して発音します。
요 日本語の「ヨ」と同じように発音します。
우 日本語の「ウ」よりも唇を突き出して強く発音します。
유 日本語の「ユ」と同じように発音します。
日本語の「ウ」とも「イ」とも違う音です。歯をかみあわせるような感じで唇を横に引いて発音します。
日本語の「イ」と同様に発音します。

合成母音

合成母音は11個あります。

それぞれ、基本母音を2つまたは3つ組み合わせた形になっています。下の表の中央列は、どの母音を組み合わせたかを示しています。

ㅏ+ㅣ日本語の「エ」より口を大きく開け、下唇を横に引きながら発音します。
ㅑ+ㅣ이と애を速く一緒に発音します。この文字が使われているのは얘(この子)、 걔(その子)、 얘기(話)の3語のみです。
ㅓ+ㅣ日本語の「エ」とだいたい同じ音です。
ㅕ+ㅣ이と에を速く一緒に発音します。ただし、前後に子音があるとㅔと同じ音になる場合があります。
ㅗ+ㅏ日本語の「ワ」と同様に発音します。
ㅗ+ㅐ日本語の「ウェ」とだいたい同じ音です。
ㅗ+ㅣ唇を軽く前に突き出して発音します。
ㅜ+ㅓ우と어を速く発音します。
ㅜ+ㅔ日本語の「ウェ」に近い音ですが、最後は唇をあまり開かないように発音します。
ㅜ+ㅣ唇を軽く突き出して「ウィ」と発音します。 
ㅡ+ㅣ으と이を速く一緒に発音します。ただし、語中・語尾または子音と結合した場合は이と発音します。

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韓国語の子音の発音

韓国語の子音について解説します。

平音、濃音、激音の順番に解説しているので、それぞれポイントを押さえて覚えていきましょう。

平音

平音を表す文字は「ㄱ・ ㄴ・ㄷ・ㄹ・ㅁ・ㅂ・ㅅ・ㅇ・ㅈ・ㅎ」の10個です。

語頭(単語の最初にくる場合)では[k]、語中・語尾では有声音化(濁音化)して[g]と発音されます。
日本語のナ行の子音と同じように発音します。
語頭では[t]、語中・語尾では有声音化して[d]と発音されます。
日本語のラ行の子音と同じように発音します。
日本語のマ行の子音と同じように発音します。
語頭では[p]、語中・語尾では有声音化して[b]と発音されます。
日本語のサ行の子音とほぼ同様に発音します。
初声では無音で、母音だけの発音になります。パッチムとして使われるときは鼻音ŋ(英語のingのngの音に類似)になります。
語順では[tʃ]と発音され、語中・語尾では[dʒ]と発音されます。
日本語のハ行の子音と同様に発音します。ただし語中・語尾では[h]の音が弱まったり消えてしまったりすることもあります。

濃音

濃音は「ㄲ・ㄸ・ㅃ・ㅆ・ㅉ」の5つがあります。

これらはそれぞれ平音「ㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅅ・ㅈ」が2つ重なった子音なので「合成子音」ともいいます。

促音(つまる音)を伴った「ッカ・ッキ・ック」のように、息を出さずに発音します。
同様に「ッタ・ッチ・ットゥ」のように発音します。
「ッパ・ッピ・ップ」のように発音します。
「ッサ・ッシ・ッス」のように発音します。
「ッチャ・ッチ・ッチュ」のように発音します。

激音

激音は「ㅊ・ㅋ・ㅌ・ㅍ」の4つです。 

息を強く吐き出すような感じで発音します。

「チャ・チュ・チョ」を息を強く吐き出すように発音します。
日本語のカ行の音を息を強く吐き出すような感じで発音します。
日本語のタ行の音を息を強く吐き出すような感じで発音します。
日本語のパ行の音を息を強く吐き出すような感じで発音します。

韓国語の発音変化のルール7つ

韓国語の発音で難しく感じることの1つが、後に続く文字によって発音が変化する場合があることです。

この発音変化のパターンは7つあります。

  1. 有声音化
  2. 連音化
  3. 激音化
  4. 濃音化
  5. 流音化
  6. 鼻音化
  7. 口蓋音化

ここでは、これら7つの発音変化が、それぞれどのような場合に起こるか解説します。

ルール①:有声音化

有声音化とは、母音またはパッチムㄴ・ㄹ・ㅁ・ㅇの後にㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅈで始まる文字が続いたとき、ㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅈが有声音(濁音)に変化するというルールです。

例)
【家具】
가구

母音ㅏの後にㄱで始まる文字구が続いているため、後の文字구が有声音化して「グ」のような音になります。

ルール②:連音化

連音化とは、パッチムの後に、初声が無音のㅇを伴う母音音節が続くと、終声がその母音の初声として発音されるというルールです。

例)
【単語】
단어

パッチムㄴと初声のㅇが連音化して、実際の発音は다너(タノ)となります。

また、2文字のパッチムの場合は、パッチムの右側の子音字だけが連音化します。

例)
【値段は】
값은

값のパッチムの右側の文字ㅅが次の文字のㅇと連音化して、実際の発音は갑슨(カプスン) となります。

ほかにも、パッチムがㄱㄱ とㅅㅅの場合は、2文字ではなく合成子音字1文字であるため、連音化するとそのまま発音されます。

例)
【あります】
있어요

パッチムがそのまま連音化するので、実際の発音は이써요(イッソヨ)となります。

なお、2文字の右側がㅎの場合、次に母音がくると音が消えるため、例外的に左側の子音が連音化して次の音節の初声となります。

例)
【多いです】
많아요 

右側のㅎの音が消えて左側のㄴが次の音節のㅇと連音化して、実際の発音は마나요(マナヨ)となります。

ルール③:激音化

激音化とは、平音のパッチムㄱ・ㅈ・ㅂ・ㅈの後にㅎで始まる音節が続く場合に、パッチムとㅎが合わさって激音に変わるというルールです。

例)
【入学】
입학

パッチムㅂと次の音節のㅎが合わさり、発音が激音ㅍに変わります。従って実際の発音は이팍(イパク)となります。

ルール④:濃音化

濃音化とは、つまる音のパッチム[k] [t] [p]の後にㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅅ・ㅈで始まる音節が続いたとき、 ㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅅ・ㅈが濃音つまりㄲ・ㄸ・ㅃ・ㅆ・ㅉの音で発音されるというルールです。 

例)
【食堂】
식당

[k]の音のパッチムㄱの後にㄷで始まる音節が続いているので、ㄷが濃音化してㄸの音になり、実際の発音は식땅 (シクッタン)となります。

ルール⑤:流音化

流音化とは、ㄹパッチムの後にㄴで始まる音節が来ると、ㄴが ㄹの音に変化し、ㄴパッチムの後にㄹで始まる音節が来るとㄴがㄹに変化するというルールです。

例)
【韓国で10月9日に定められた祝日「ハングルの日」】
한글날

2文字目の글のㄹパッチムの後にㄴで始まる音節が来るのでㄴがㄹに変化し、実際の発音は한글를(ハングルラル)となります。

例)
【朝鮮の王朝「新羅」】
신라

ㄴパッチムの後にㄹで始まる音節が来るのでㄴがㄹに変化して、実際の発音は실라(シルラ)となります。

ルール⑥:鼻音化

鼻音化とは、つまる音のパッチム[k] [t] [p]に鼻音ㄴ・ㅁが続くと、 [k] [t] [p]の音は口の構えが同じ鼻音[ŋ] [n] [m] に変化するというルールです。

例)
【学年】
학년

[k]の音のパッチムㄱの後に鼻音ㄴが続くので鼻音化が起こり、実際の発音は항년(ハンニョン)となります。

ルール⑦:口蓋音化

口蓋音化とは、パッチムㄷ・ㅌの後に이が続くと지 または치と発音されるというルールです。

例)
【~のように/一緒に】
같이

パッチムㅌに이が続くため口蓋音化が起こり、実際の発音は가치(カチ)となります。

韓国語の発音上達のコツ

韓国語の発音を上達させるためのコツを2つ解説します。

韓国語を学び始めてすぐに発音を覚えるのは簡単ではありませんが、次に紹介するコツを押さえて少しずつ理解を深めましょう。

コツ①:発音のルールは最初に全部覚えようとしなくてよい

そもそも、発音のルールは最初から全部を覚えようとする必要はありません。

これは筆者が韓国語や、ほかの色々な言語を学ぶ中で実感したことなのですが、その言語の音声や表現などのイメージがほとんどない段階で発音だけを学ぼうとすると、とかく無味乾燥になりやすいです。

言語を初めて学ぶとき、文字や発音を「一通り」覚えることが必要です。他方で、特に発音については、完璧にマスターしてから文法の学習に入ろうとすると、文法学習に入る前にその言語の学習自体挫折しかねません。

最初に完璧に覚えようとしなくてよい代わりに、文法や会話表現などの学習を進めながら「頻繁に発音のルールを確認する」ことをおすすめします。

単語やフレーズ・センテンスの「意味・音声・文字」がセットになったイメージができればできるほど、細かい発音のルールも頭に入りやすくなるでしょう。

コツ②:テキストを見ながらシャドーイングする時間を作る

韓国語の発音を身につける上で、リスニング訓練法の一種であるシャドーイングは有効な方法です。

ただし、初心者がテキストなしで音声のシャドーイングをやると、ひとつひとつの単語の発声に時間がかかって音声に追いつけなくなる可能性があります。また、自分の声が邪魔になって音声が聞こえなくなる可能性もあります。

そこで、テキストを見て文字を追いながら、やや遅めのスピードの音声をシャドーイングすることをおすすめします。

この方法をとることで、ネイティブの発音を真似しながら言葉の意味・音声・文字のイメージを定着させられます。週に2・3回、10~15分程度の短時間でよいので、テキストを見ながらシャドーイングする時間を作って学習しましょう。

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韓国語の発音はネイティブから学ぼう

韓国語の母音・子音の発音や発音変化のルールについては独学でマスターできます。しかし、実際に話すときは、濃音や激音を聞き取ってもらえるか、発音変化のルールに従って発音できているかなど気になることがあるでしょう。

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まとめ:韓国語の発音はルールを覚えてから練習しよう

本記事では、韓国語の発音が難しいと思われる点や、母音と子音の発音方法・発音変化のルール・発音上達のコツなどについて解説しました。

韓国語を学び始めたときに、発音のルールを完璧にマスターする必要はありません。他方で、少しずつ文法や会話表現を学びながら、頻繁に発音を確認することは必要です。

発音のルールは煩雑で難しく感じるかもしれませんが、すべては「音声として自然で滑らかに聞こえるようにするため」に作られた合理的な決まり事といえます。

発音や発音変化のルールについて理解ができると、リスニングや音読・スピーキングも楽しくなるので、発音のルールを覚えてからたくさん練習していきましょう。

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