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『能ある鷹は爪を隠す
Descrizione
『能ある鷹は爪を隠す』(のうあるたかはつめかくす)ということわざが日本語にあります。
これは、まさに日本っぽい表現だと思っています。
狩りをする鷹(たか)は、その鋭(するど)い爪(つめ)を見せない事から、能力のある人ほど、その能力をひけらかさないという意味です。
「ひけらかさない」というのは、得意(とくい)そうに見せることです。
つまり、日本では自分は他の人より優れていると思っても、決してそれを口にしてはいけないということです。
これは、小学生ぐらいから暗黙(あんもく)のルールとして教育されていきます。
例えば、学校の授業で算数の問題があったとします。その問題に簡単に答えられても、子供たちは静かにしていなくてはなりません。常に、先生からは「自分が分かっても黙(だま)っておきましょう」と注意されます。先生は「まだほかにやっている人がいます」「これは難しい問題です」とできる生徒の発言を抑制することがたびたびあります。
でも、黙っているだけでは、自分の能力に気付いてもらえないことが多いです。子供たちは、身近な大人や先生に自分の優れた能力に気付いてほしいと常にチャンスを狙っています。ただ、人より優れた能力は「さりげなく」アピールしなくてはいけないのです。大切なのは「さりげなく」アピールすることです。
これがアピールしすぎてしまうと、「目立ちすぎ」と言って嫌われる傾向にあります。自分の能力を堂々とアピールして褒められることは少ないのです。つまり『出る杭は打たれる』のです。(才能や手腕(しゅわん)がある人が目立つ行動をすると、他の人から憎(にく)まれ、非難(ひなん)されること)
このことは、日本の職場ではしょっちゅうあることです。そして、日本企業の就職面接の場においても、同じようなことがあります。
日本社会では「協調性」をとても重視します。なので、新入社員のグループ面接で、取り立てて大した発言をしなかった人が、合格するということはよくあることです。
では、優秀な人は、どんな表現をするのでしょうか。
彼らの口癖(くちぐせ)は「私なんてまだまだです」「私なんか大したことないです」「こんなの誰でもできますよ」「勉強はただ好きなだけです」という感じです。
不思議だと思いませんか。
私は日本生まれ、日本育ちですが、たまにこの謙遜しすぎる社会に疲れることがあります。
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