この記事のポイント:
- Duolingoのフランス語コースでは、基本的な語彙やよく使われるフレーズ、文法パターンを学べますが、実際に会話する力を身につけるには十分ではありません。
- コースは5つのセクションで構成されており、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)ではおおむねA1からB1レベルの内容をカバーしています。
- 毎日継続して学習すれば、多くの学習者は6〜12か月ほどでA2レベルに到達します。ただし、会話を流暢にできるようになるには、アプリだけでは不十分です。
- Duolingoは、語彙を増やすための補助教材として、ネイティブのフランス語講師とのスピーキング練習と組み合わせて使うのがおすすめです。
私はこれまでの人生で、Duolingoのフランス語コースを2度始め、そして2度とも途中でやめています。
最初に使ったのは、学校でフランス語を勉強してから何年も経った頃でした。普段から使っていなかったので、覚えていたことのほとんどを忘れてしまっていたのです。無料アプリを数か月使えば、以前覚えたフランス語を取り戻せるだろうと思いました。レッスンをこなし、連続学習記録も途切れさせず、「少しずつ上達している」と感じていました。
ところが2年前にフランスへ引っ越して、その考えはすぐに覆されました。パリの県庁で列に並び、自分の状況を職員に説明しようとしていたときのことです。相手は私のためにゆっくり話してくれるような雰囲気ではありませんでした。Duolingoで学んだフランス語は、ほとんど役に立ちませんでした。相手が話している言葉には何となく聞き覚えがあるものの、十分な速さで文章を組み立てることができなかったのです。本当にフランス語が必要な場面で、私はフランス語を話せませんでした。
これは、パリで2年間暮らし、見つけられる限りのフランス語学習教材を実際に試したうえで書いている、私の率直なDuolingoレビューです。Duolingoが得意なこと、どこから限界が見えてくるのか、そして実際に私のフランス語力を伸ばしてくれたものは何だったのかを、具体的に紹介します。
本当にフランス語で会話できるようになりたいなら、ネイティブのフランス語講師のオンラインレッスンを見つけて、今日からスピーキングの練習を始めましょう。
Duolingoはフランス語学習におすすめ?
Duolingoは、フランス語を初めて学ぶ人には役立つアプリです。無料で始められ、基本的な語彙や文型、ある程度の文法まで、体系的に学べます。ただし、A2レベルを超えると明確な限界が見えてきます。
Duolingoで身につくのは、フランス語を「認識する力」であって、「自分で使う力」ではありません。画面に表示された選択肢から正解を選んだり、目の前にある文章を訳したりするのと、自分の考えをもとに、実際の会話のプレッシャーの中で文章を組み立てるのとでは、大きな違いがあります。
Duolingoを何か月も毎日続けたことで、基本的なフランス語ならそれなりに読めるようになりました。一方で、話すことはほとんどできませんでした。今でも鮮明に覚えているのが、パリの薬局で症状を説明しようとしたときのことです。頭の中が完全に真っ白になりました。私はスピーキングの練習をしていたのではなく、選択肢から答えを選ぶ練習ばかりしていたからです。
ここがDuolingoの最大の限界です。身につくのは「認識」であって、「産出」ではありません。単語を見れば何となく意味が分かっても、実際に使わなければならない瞬間に、その単語を文章の中でどう使えばいいのか分からないことは珍しくありません。
Duolingoのフランス語コースは何セクションある?
Duolingoのフランス語コースは9つのセクションで構成されており、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)(英語)では、おおむねA1からB2レベルに相当する内容を扱っています。各セクションには複数のユニットがあり、ユニットごとにレッスン、ストーリー、復習問題などが用意されています。
| セクション | レベル | 主な内容 |
|---|---|---|
| セクション1 | A1 | 基礎:あいさつ、数字、食べ物、現在形 |
| セクション2 | A1〜A2 | 日常生活:習慣、家族、過去形 |
| セクション3 | A2 | 社会的な場面:旅行、意見、未来形 |
| セクション4 | A2 | 説明と習慣:服装、天気、形容詞 |
| セクション5 | A2〜B1 | 場所と道案内:前置詞、命令形 |
| セクション6 | B1 | 仕事と学校:職業、条件法 |
| セクション7 | B1 | 健康と身体:再帰動詞、医療用語 |
| セクション8 | B1〜B2 | 文化とメディア:接続法、受動態 |
| セクション9 | B2 | 発展的なテーマ:慣用表現、抽象的な議論(Daily Refresh) |
私は最初の3つのセクションを、それほど苦労せずに進めることができました。食べ物を注文する、道を尋ねる、自分について紹介するといった、すでに知っている内容が中心だったからです。ところがセクション4に入ると、文法が難しくなり、文脈が少なくなり、練習問題もより単調に感じるようになりました。間違えても、なぜ間違えたのか分かるというより、ただ偶然間違えたように感じることが増えていきました。
特に注目したい機能のひとつが「Stories」です。短い会話形式のコンテンツで、単語を単独で覚えるのではなく、実際の場面を想定しながら文脈の中で学べます。これだけで十分というわけではありませんが、単純な翻訳問題よりも、文章の内容を理解する力を身につけるうえではかなり役立ちます。
9つのセクションをすべて終えれば、フランス語を学ぶための体系的な基礎は身につきます。ただし、実際の会話に対応できるようになるわけではありません。多くの学習者が、ここで「アプリだけでは足りない」と気づくことになります。
Duolingoでフランス語を学ぶにはどのくらいかかる?
Duolingoなら、1日20〜30分の学習を続けることで、6〜12か月ほどでA2レベルのフランス語に到達できます。B1レベルを目指すなら、毎日継続して18か月以上かかることもあり、Duolingoだけで会話を流暢にできるようになるのは、多くの学習者にとって難しいでしょう。
私は200日以上連続で学習を続けました。語彙は増え、基本的な文章なら、それなりに自信を持って読めるようになりました。それでも、実際の会話を続けることはできませんでした。アプリのおかげで単語は増えましたが、いざというときにそれを使う力までは身につかなかったのです。
米国務省のForeign Service Institute(外交官養成局)によると、英語話者がフランス語で職業上必要なレベルに到達するには600〜750時間が必要とされています 出典:Foreign Service Institute(英語)。Duolingoを1日20分使うだけでこの学習時間を確保しようとすると、何年もかかる計算になります。アプリをメインの学習教材として使う前に、この点は理解しておいたほうがよいでしょう。
Duolingoのフランス語コースで期待できるおおよその進捗(毎日利用した場合):
| 学習期間 | 目安となるレベル |
|---|---|
| 3か月 | A1 |
| 6〜12か月 | A2 |
| 18か月以上 | B1(他の教材も併用) |
| 会話が流暢にできるレベル | スピーキング練習なしでは難しい |
Duolingoのフランス語学習で良かったところ
毎日の学習習慣を作りやすい。連続学習記録のシステムによって、毎日勉強するきっかけができます。短時間でも学習すれば、習慣を途切れさせずに済みます。語学学習では、継続することが大きな意味を持ちます。
レッスンが短く、取り組みやすい。1回のレッスンは数分程度なので、毎日続けやすいのが特徴です。ちょっとした空き時間を使って学習している人も多いでしょう。
語彙の練習に強い。繰り返し学習の仕組みによって、新しく覚えた単語やフレーズを定着させやすくなっています。
無料版でも利用しやすい。無料版でも基本的なレッスンを利用できます。ただし、広告が表示されるほか、一部の機能には制限があります。
Duolingoでフランス語を学ぶ際の限界
- 実際の会話練習がない。あらかじめ用意された文章をマイクに向かって繰り返し、正解か不正解かの判定を受ける形式です。どの音が間違っていたのか、どう直せばいいのかといった具体的なフィードバックはありません。実際に会話をしているわけではないため、リアルな会話に対応する力を身につけるのは難しいでしょう。
- 文法の説明が十分ではない。Duolingoでは、パターンや例文を通して文法を学びます。なぜそのルールになるのか、例外にはどのような意味があるのか、別の文脈ではいつその構文を使うのかといった説明はありません。数か月使い続けても、見慣れた文法を認識することはできても、自分で確実に使えるとは限りませんでした。結局、推測に頼っている部分が多かったからです。
- 実際のフランス語に対応する練習ができない。アプリ内の音声は、ゆっくり、はっきりと発音されるよう丁寧に作られています。一方、ネイティブのフランス語話者は単語をつなげて発音したり、音節を省略したり、アプリでは再現されないスピードで話したりします。アプリ内ではそれなりにリスニングができていた私も、パリの街中でフランス語を聞いたときは、最初の数か月ほとんど聞き取れませんでした。
- 文化や言葉のニュアンスを学べない。フランス語は、単語と文法だけで成り立っているわけではありません。「tu」と「vous」をいつ使い分けるのか、英語とフランス語では率直な言い方がどう違って聞こえるのか、「c’est pas mal」が会話の中で実際にどんなニュアンスを持つのか。こうしたことはアプリでは学べません。しかし、フランス語を話すときに自然に聞こえるか、不自然に聞こえるかを左右するのは、まさにこうした部分です。
- A2を超えると上達が停滞しやすい。練習問題はより繰り返しが多くなり、文法は難しくなり、文脈は少なくなっていきます。アプリを続けていることで「学習している」という感覚はあっても、実際には上達が止まっていると感じる段階に、多くの学習者が到達します。
こうした不足があるからといって、Duolingoが役に立たないわけではありません。そもそも、実際の会話練習に取って代わることを目的に作られたアプリではないということです。フランス語を本当に話せるようになりたいなら、ネイティブのフランス語講師と学ぶことで、こうした不足を補えます。自分のレベルや間違いやすいポイント、目標に合わせた練習ができるからです。
Duolingoの後、実際にフランス語を話せるようになるために役立ったこと
フランスで2年間暮らし、さまざまな方法を試した結果、私のフランス語力を本当に伸ばしてくれたのは次のようなことでした。
1. ネイティブ講師とのマンツーマンレッスン
これが最も大きな変化につながりました。フランス語を母語として話す人から、リアルタイムで具体的なフィードバックを受けられたからです。間違えた瞬間に訂正してもらえるので、単に「間違っている」と知るだけでなく、なぜ不自然なのかまで理解できるようになりました。そして、実際に相手と会話をやり取りするプレッシャーによって、選択肢から答えを選ぶだけの学習とはまったく違う形で頭を使うようになりました。
数週間、定期的にオンラインでフランス語を学ぶだけで、毎日Duolingoを何か月も続けるよりも、話す力の伸びをはっきり実感できました。自分に合ったスピーキング練習をして、本当にフランス語を上達させたいなら、フランス語講師との体験レッスンを試してみてください。
2. フランス語のコンテンツに触れる
フランスに住んでいなくてもできます。フランス語のポッドキャストを聞いたり、英語字幕ではなくフランス語字幕でドラマや映画を見たり、フランス語の短いニュース記事を読んだりすることで、ネイティブが実際に使っているフランス語を耳にする機会が増えました。こうした学習を通して、アプリでは気づけなかった「理解できていない部分」が見えてきたので、弱点を克服するうえでも役立ちました。
3. 具体的な学習計画を立てる
Duolingoは学習の「型」は作ってくれましたが、具体的な計画までは立ててくれませんでした。そこで、1週間の中で語彙、リスニング、文法、スピーキングをバランスよく組み込んだフランス語の学習計画をきちんと作りました。すると、学習の進み具合が安定し、上達をより具体的に確認できるようになりました。
4. 連続学習記録にこだわりすぎない
ある時点から、フランス語を学ぶことよりも連続学習記録を維持すること自体が目的になっていました。そこでDuolingoをフランス語学習の中心ではなく、語彙を増やすための補助教材として捉え直し、「どれだけ続けたか」ではなく「実際に何を話せるようになったか」で上達を測るようにしました。すると、学習が少しずつ良い方向に進み始めました。
Duolingoのフランス語コースを実際に使ってみた感想
Duolingoのフランス語コースは使う価値がありますが、これだけに頼るのはおすすめできません。
まったくの初心者にとっては、実用的で無料、しかも楽しみながらフランス語を始められる便利な教材です。語彙を増やし、文法パターンに触れ、短いレッスンを毎日続けることで学習習慣も作れます。これらは確かなメリットです。
問題が出てくるのは、Duolingoをフランス語学習のすべてだと考えたときです。会話力を身につけることはできません。実際の会話でプレッシャーがかかったときに使える文法を身につけるための学習も十分ではありません。そして、ネイティブが実際に話すフランス語のスピードや表現の幅、予測できないやり取りに対応する準備もできません。私自身、Duolingoを継続的に使っていましたが、実際の会話でフランス語が必要になったとき、最初は頭が真っ白になりました。
Duolingoは役に立ちます。ただ、それだけでは足りません。
毎日の語彙学習や学習習慣を作るために活用しつつ、最初から実際の会話も組み合わせて、単語を「認識する」だけでなく「使う」練習をしましょう。さらに学習方法の幅を広げたいなら、フランス語学習におすすめのDuolingo代替サービスもいくつか試して、自分に必要なものを組み合わせてみてください。
こうした学習方法の組み合わせこそが、旅行やパリでの生活、フランス語圏での仕事など、さまざまな目的でフランス語を学ぶ人にとって、フランス語を学ぶための効果的な方法につながります。
ネイティブのようにフランス語を話せるようになりませんか?
世界中で1,000万人以上の学習者に利用されている、30,000人以上の経験豊富な講師から、自分に合った講師を見つけてフランス語を学びましょう。italkiなら、あなたのレベルやスケジュールに合わせて、ネイティブのフランス語講師と学べます。フランス語の体験レッスンを予約する。
FAQ
Duolingoだけでフランス語を完全に習得できますか?
いいえ。Duolingoでは語彙や基本的な文法を、おおむねB1レベルまで学べますが、実際の会話に必要なスピーキング力を身につけることはできません。Duolingoだけに頼っている学習者の多くは、フランス語を読んだり見て理解したりすることはできても、プレッシャーのかかる場面で自分からフランス語を話すことに苦労します。ネイティブ講師とのレッスンを組み合わせることで、フランス語を「認識する」段階から「実際に話す」段階へ進みやすくなります。
なぜDuolingoをやめてしまう人が多いのですか?
学習を続けていても、上達を実感しにくくなることが大きな理由です。連続学習記録は伸びているのに、実際に上達しているという感覚が薄れていくことがあります。練習問題が繰り返し中心になり、文法の説明にも限界があり、同じ間違いをなぜ繰り返しているのか教えてくれる人もいません。フランスへの移住、試験合格、フランス語を使った仕事など、具体的な目標がある学習者の場合、目標に到達する前にアプリだけでは物足りなく感じるようになることがあります。
Duolingoと一緒に使うなら、どんな教材がおすすめですか?
Duolingoと組み合わせるなら、ネイティブのフランス語講師とのマンツーマンのスピーキング練習が役立ちます。実際の会話を経験できるだけでなく、発音を練習したり、自分の力でフランス語を組み立てたりする機会が得られます。こうした力は、アプリだけでは身につけにくいものです。
Duolingoのフランス語コースは無料ですか?
はい。A1からB1までのフランス語コース全体を無料で利用できます。有料のSuper Duolingoに登録すると広告が表示されなくなり、ハートを無制限で使えるようになりますが、追加のコンテンツが解放されるわけではありません。基本コースの内容は、料金を支払わなくても利用できます。















