JPOD101 上級オーディオブログ4第8課
紫式部(2)
「光源氏」が好意を抱く女性の共通点は「どこかに母の面影がある」ということ。三歳で実の母と死別した彼は、父親の後妻である女性に強く惹かれます。なぜなら、父は光源氏の亡き母を深く愛していたために、似ていると評判の女性を妻に迎えたからです。
年齢も近く、お互いに好意を持ってはいても、義理の親子関係であるために恋の成就は難しく、源氏は叶わぬ思慕を募らせます。
源氏が十八歳の折、義母にそっくりな面差しの少女と出会うのですが、彼女は義母の姪だったのです。この少女こそ、人生のほとんどを光源氏の愛情を一身に受けることになる「紫の上」。作者・「紫式部」の名前の由来にもなっています。