ア:差し上げた、
エ:致した
は、それぞれgive, do の謙譲語。つまり、自分(主語)を下げる語法。
「ご注文差し上げたお客様には」
「ご注文致したお客様には」
→ いずれも、主語である「お客様」を下げているのでNG。
***** 「なさった」でも理屈の上では間違いではない。
次のウ:「なさった」は、「する(した)」の尊敬語です。
「ご注文なさったお客様には素敵なプレぜントを差し上げます」
これは「お客様」を尊敬している語法ですから、toxicさんの言うとおり、良いように思えます。
確かに理屈の上では間違いではない。
しかし、やはり「イ:いただいた」の方がより良い(better)なのです。
なぜか? それは、その方が「主語(視点)が統一されるから」です。
***** しかし「いただいた」の方が視点が統一されるのでbetter
「ご注文いただいたお客様」という文で、「いただいている」のは誰か、主語は何かというと、これはお客様ではなく、実は「私たち(当店)」です。
「お客様が注文をなさって(=して)、それを私たちがいただいている(=受け取っている)」ということ。
「お客様から(私たちが)ご注文をいただきました」
→「ご注文いただいたお客様」という少々、複雑な変換です。
「いただく」とは、手を頂(いただき)に上げて受け取ること、つまり「受け取る」という動作の謙譲語だからです。
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「ご注文なさったお客様には、素敵なプレぜントを差し上げます」
と言うと、前半の「注文なさった」の主語は「お客様」、後半の「差し上げます」の主語は「私たち(当店)」なので、視点が変わることになり、読んでいて少しくらくらします。
しかし
「ご注文いただいたお客様には、素敵なプレぜントを差し上げます」
とすれば、前半、後半、共に主語(視点)が「私たち」です。
そのように視点を統一する方が理解しやすくなります。
※ くどい日本語で表現すると、
「私たちが注文をいただいたお客様には、私たちが素敵なプレゼントを差し上げます」
となります。
したがって正解は、「イ:いただいた」です。