「様子」が適切です。
「様子」と「ありさま」の違いは以下のとおりです。
+++「様子」
- 「なんとなく目に入る、物事の状態」のこと
- 話者は重大な関心を持っていない
- 中立的表現(良いことにも悪いことにも使う)
- おそらく現代中国語の「样子」とほぼ同じ意味。(看他那高兴的样子)。
- 漢語(音読み、中国語由来)
+++「ありさま」
- 「目の前に広がる、物事の状態」のこと
- 話者は重大な関心を持っている
- 否定的表現(悪いことの描写に使うのが普通)
(※ 100年前までは中立的表現だった)
- 大和言葉(訓読み、日本の言葉)
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「有様(ありさま)」ですが、これは1000年以上前からある日本の言葉です。現代は、「この有様だ」のように、「ひどい、negativeな」描写にしか使いませんが、昔は、「様子」とほぼ同じ、中立的な意味でした。つい100年前まで、そうでした。
例文:
「僕はこう云う文句を読み、何冊かの本が焔になって立ち昇る有様を想像した」
「私はこう云っている中にも、向うの銅板画の一枚を見るように、その部屋の有様が歴々と眼の前へ浮んで来ます」
「何事が起ったかと胸に動悸をはずませて帰って見ると、宵闇の家の有様は意外に静かだ」
では、なぜ現代では「有様」といえば、negativeな描写にしか使われなくなったのか?
(つづく。to be continued)