JPOD101 上級オーディオブログ4第4課
太宰治(2)
それゆえ、読者は「これは私のことだ」とか「太宰も私と同じように苦しんでいたのだ」などと作者に親近感を覚えたり共感したりするのだと思われます。
また、彼は印象に残る名文句を作中にいくつも盛り込むことが上手な作家でした。もちろん、登場人物やストーリー等が気に入る場合もありますが、「あのことばがあるから、私はこの作品が好き」というファンも多いです。
数多くある名言の中から三つ挙げておきます。
「君のような秀才にはわかるまいが、『自分の生きていることが、人に迷惑をかける。僕は余計者だ』という意識ほどつらい思いは世の中に無い。」
『パンドラの匣(はこ)』