「比喩」は文章を書くときのテクニックです。
A. 彼女はバラのように美しい。
B. 彼女はバラだ。
この二つは、どちらも彼女の美しさを説明するために、「バラ」という分かりやすいたとえを借りています。これが比喩です。比喩には2種類あり、Aのように「ようだ」「みたいだ」「ごとき」などのことばを使う場合を直喩(ちょくゆ)、Bのように文脈で表す場合を隠喩(いんゆ)と言います。
「比況」は文法用語で、「ようだ」「みたいだ」「ごとき」などのことば(助動詞)のもつ機能の名前です。「ようだ」は比況のほかに、推量、婉曲などの機能があります。
文法の話以外の会話ではあまり使いませんし、専門的な議論をするのでなければ「比喩」と言っても別にかまわないでしょう。
まとめると、下のようになります。
彼女はバラのように美しい。
→この文は、彼女の美しさを比喩を使って説明している。文法的には「ように」は比況の助動詞「ようだ」の連用形だ。